十一月十一日はナントカの日、いかにも女が喜びそうなフレーズはどっかの菓子会社の戦略であろう、考えなくてもわかる。その会社のターゲットとなっているのは俺の彼女のこいつ 。

は俺の家にその菓子を持ってきた。そして1人で夢中になって食べ続け早二十分。俺に食べさせようという気はこれっぽっちも無いらしい。
きっと岬さんや三杉さんだったら、こういう女は反対側からポッキー食べつつキスなんかをして一発で黙らせるのだろう。もちろん俺にそんな勇気もなく、、いやまじでやってやろうか。…視線は自然との唇へとまっていた。一本、もう一本とポッキーが運ばれて行く。お、なんかエロい。なんてくだらないことを考えていると、その唇から思わぬ言葉が発せられた。

「食べる?」

予想だにしなかったチャンス。は口にくわえたポッキーを指差して小首を傾げる。まさか

「いいのか、」

念のため聞いては見たが、俺の声は弱く少し格好わるく響いた。(かっこわりぃな俺)

「えっ、うん。」

が目を伏せたから、今だ、と四つんばいになって近づき、ポッキーに噛み付く。するとそれはなかなか短いもので、二、三口での唇までたどり着き、押しつけるようなキスをしてしまった。

を見てみれば、何度も瞬きをして、何が起こったのか分からない、といったような顔をしている。


ひょっとしたら俺は色々と勘違いしてしまったのかもしれない。後からじわじわと羞恥が込み上がってくるが、無理やり押さえ込んだ。この際勘違いだとか、そんなことはどうでも良い。俺を二十分でも放っておいた罰だ、と勝手に合理化し、間抜け面のままのから袋ごとポッキーを奪い取って食べてやった。




(101115 anemone)(131001修正)