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「そういえば、って今どうしてんの」 南葛高校同期との飲み会があった。クラスの奴らも好きだけど、熱い夏を一緒に戦い抜いたこいつらと酒を引っ掛けながら顧みるのは格別に楽しい。今でもサッカーを続けてる奴はそんなに居なかった。俺と、大学の部活をしてる奴くらいだ。男だけのむさ苦しい会だったが、基本的な価値観の似てる奴らだから、それぞれの生活について語り合うのは楽しいものだ。 それなりに大人になった俺らでも、サッカーの話の他、合宿所の夜から変わらず毎度のように出て来る話題があった。それは学内で可愛かった娘。 やっぱりそこではの名が上がった。 かつて幼馴染という呼び方を与えられた、周囲から羨望の眼差しで見られた高校三年生。人に言われて自覚した存在。俺は積極的にその言葉を使って部室で自慢していた。もちろん修学旅行の夜にも。 しかし幼馴染というのも、離れてしまえば元クラスメイト以外の特別なことは何も無いらしい。俺の経験上。 卒業後別々の進路を選び、会うことも話すことも連絡を取り合うことも無くなってしまった現在、アドレス帳の「」からよそよそしさを感じるようになった。名前を見ても浮かぶのは高校三年までので、それが余計に冷ややかに感じさせられた。 「新田、幼馴染だろ?」 久しぶりにその言葉を使われ、耳が熱くなる。妙に恥ずかしくなってしまった。幸い、俺はの進学先を知っていたからそれを自慢気に話した。(関東の大学らしい、そういやは勉強頑張ってたな) 現在どうしてるか知りたいけど、連絡する勇気が無かったんだ。頭の中で、の笑顔が思い出される。 会がお開きになった後も、脳裏にが浮かんだままだった。俺は酔った勢いである決心メールを送った。関東に出た高三のクラスメートがと俺含め四人だった。そいつらに、ちょっとした同窓会を開こうという内容だ。 メールを送った直後に寝てしまったが、起きて三人からの賛同の返信を確認し、心底ホッとしたと共に無性に落ち着きがなくなってしまった。 俺はと会うのが楽しみだった。 久しぶりに会ったは何もかもが新鮮だった。昔は体のラインの出る服なんて着てなかったし(制服だったから当たり前なのだが。)、何より、こいつ意外と胸あったんだ。化粧もしているし、昔のとは違う人のような気がした。 だけど俺を見て、緊張を隠すように目をそらす仕草は昔と全く変わってなかった。動揺を強がって隠す癖は抜けて居ないのか。それがどうしようもなく可愛かった。 外見が垢抜けてしまったのに反し中身の変わらないが、心底愛おしくなってしまった。酒も進んでいて、正直抱きたいとも思った。 ええいどうにでもなれ、俺は感じるままに行動した。と思う。 いつも以上に酒が進んでしまったので、細かいところはあやふやだ。 解散するまでの記憶が飛び飛びだが、かなりいい感じにと話せた気がする。 駅でが「頑張れ」って笑ってくれたのは覚えている。 それと、男3人になって締めの牛丼を食べたのが、翌日まで響いていた事は確実に思い出せる。 |