ボク以上にいろんなことを知っているきみなのに、ボクのことを愛せているかと不安がっていたね。
食いしん坊のくせして、ボクに多くおかずをくれる。ご飯を食べ終えるといつもお腹が空いていないかきいてくる。跳ねたボクの髪を優しく撫でるときの目尻の皺。食事中肘をつくと叱ってくる。ボクの家族を大切にしてくれる。決して口が上手いわけではないけど、温かさが漂うきみの言葉。
学生時代教室の後ろでずっと遊んでて賑やかだったきみが、ボクとの生活のために苦手なことにも挑戦している。時々無理して帰ってきて落ち込んでいる姿も愛おしい。
そしてほら、こうやってソファに座ると同じ毛布にもぐり込んでくる。
甘えてくるのなんて、それこそ立派な愛情表現だ。




現実は確かにここにある。
輪郭も、重みも、変わらずボクの前に広がっている。
けれど、その上に薄い光の膜がかかっていて、世界は少し白く霞んで見える。
そのベールは、祝福の余韻が形を変えたものなのだろう。
指先でそっと剥がせば、現実はきっと鮮やかに戻る。でもその瞬間、この儚い光は消えてしまうのかな。二度と得られないだろうこの感覚を、ボクはまだ手放せずにいる。

きみの寝顔を横目に、昨日の挙式を振り返る。ボクの人生の中ではきみが主役だ。どうか、今日もぎりぎりまで寝ていてほしい。



20260125